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「その後」 作 : 紗枝 様 「ん・・・」 目が覚めた。 時計を見ると、7:30。 そろそろ学校が始まる。 起きなきゃ・・・。 眠い瞼をこすりながら、窓を見てみると、 窓の外は暗闇の世界だった。 「・・・・?ああ、闇空の日か・・・」 ということは 今日は学校が休み。 今日は彼と ずっと一緒にいられる・・・! 私は彼の部屋へ急いだ。 「アトル」 彼の部屋に入ったが、 彼の姿は見当たらない。 「・・・アトル?」 不安を覚え、慌てて外へと飛び出した。 なんのことはない、彼はすぐ其処にいた。 「コーラル・・・」 「アトル、やっぱり外にいたんですね」 「ああ・・・」 闇空の日、 彼はたまに外へ出る。 意味はない。 ただ、なんとなくだという。 彼の傍へ行くと、 否、行かずとも 彼の中にある闇の力が増大しているのが解る。 「コーラル、家に入っていなさい」 私はそれに答えることもなく、 ただ此処に立っていた。 アトルが 少し強めに、再び言ったが 私は動かなかった。 「・・・コーラル」 彼の怒った表情。 何故彼が、アトルが、 私を遠ざけようとしているのかは 知っていた。 私を傷つけぬため 私は動いた。 家の中へではなく、 彼のもとへ・・・。 「・・・コーラ・・」 彼が私の名前を言い切る前に 私は彼の手をとった。 バチッッ!!!! 闇の力が私を拒む。 手に出来るいくつかの傷。 それでも私は 手を離さない。 「コーラル、やめなさい!」 彼は振り払う。 けれど 「!!!」 私は彼に抱きついた。 闇の力は 全身で私を拒む。 「コーラル!!!」 私は彼から離れない。 だって・・・ 「大丈夫・・・」 「・・・コーラル・・・?」 「解っている、 アナタは 私を傷つけたくない けれど 私もアナタに傷ついてほしくないの」 「・・・君が傷つくということは、私も傷つくということになるのだよ」 「ええ、解っているわ 解ったうえで 私は こうしているの」 「・・・何?」 「アナタは この力を拒んでいる 誰も受け入れることのない力 アナタの力 私は受け入れるわ だって アナタの力だもの 傷つけられても 拒まれても 受け入れたいのよ」 「・・・」 「ねぇ 傷つけることが怖いのなら 私を守るために使って そうすれば たとえ闇の力だとしても アナタに優しいから だから 闇を拒まないで 闇を恐れないで」 「コーラル・・・」 「私は大好きよ、 アナタのこの力が。 そして、アナタのことが・・・」 いつの間にか、 コーラルを拒んでいた力は コーラルを癒していた。 体中についた傷は 闇の力によって癒された 闇の力は 今 癒しの力となったのだ 「・・・ 光が 導くものなら 闇は 受け入れるものなのだろうね」 アトルは体制を変え、 今度はコーラルが抱かれるというかたちになった。 「私は 憎んでいたのだよ、ずっと・・・ 闇の力を しかし 私はただ 闇の力を“悪しき力”と 決め付けていた 闇が邪なるものだなんて 誰が決めたのだろう・・・ そのことすらも 私は見えなくなっていたのだね」 「アトル・・・」 「ありがとう、コーラル・・・ 今、やっと 長い年月をかけて やっと この力を 受け入れることが出来そうだ」 増幅された禍々しい気配を放っていた力は 穏やかな力へと変わっていた それは 夜 暗闇が 人々を眠りに誘う そんな 優しい感覚だった 光が 歩き行く人々を 導くものならば 闇は 止まった人々を 受け入れ、 包むものなのかもしれない |
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紗枝様から頂きました、アトルとコーラルのその後のお話です。 アトルのダリルED後、ダリルに残ったコーラルが迎えた闇空の日 闇は安らぎの優しさだと、アトルへと語り掛けるコーラル。 お互いを想う優しい気持ちが、とても素敵なお話だなぁと思いました。(^-^) 素敵なSS作品をありがとうございました。 2004年8月13日 : 中原 良 |