* 「時の軌跡」 作 : 道行マリル 様


届け、言霊。
時を越えて。

生の偶然と死の必然。
出会いの奇跡と別れの運命。
描かれた螺旋は、世界となり、
回る歯車は、心を映し出す。
針は廻り、砂は崩れ落ちて、
残されるのは・・・

遡る世界、それは過去。

自らの偶然を握り締め、
側の誰かの必然を知る。
小さな体は螺旋を抱きしめ、螺旋に抱かれて
夢の現実の狭間、歯車を回し続ける。
積もる結晶が、吹き抜ける風が必然を運び、
運命の瞬間を呼び寄せる。
針が廻り、幾度も繰り返される偶然は奇跡を起こす。
起こされた奇跡はまた、運命と必然を呼ぶ。

赤黒い記憶、釣り合わない天秤、喪失の記憶。
秘める力、軋む歯車、そしてまた必然を呼ぶ・・・

駆け抜ける瞬間、それは現在。

偶然と奇跡の重なりあう場所で、新たな歯車が回る。
他とは異なる螺旋を抱く砂時計。
砂時計に入れられた砂の量は7日分。
返された瞬間から砂は崩れ落ち、
その狭間に誰かが抱く螺旋を解いていく。
誰かと誰かの、記憶と肉体の二重螺旋。
奏でる歌は言霊となり、新たな道を作り上げていく。
残された砂が僅かになるとき、
二つの偶然は複数の選択肢の中から一つの選択を迫られる。
それは・・・

『運命に従う』か、『必然を受け入れる』か。
或いは『砂時計を壊す』か、『抱いた螺旋を捨てる』か。

訪れる世界、それは未来。

けれど未来は誰も知らない。
何故なら選択肢は一つではないから。

紡がれる物語は複数の根を這わせ、複数に枝分かれ、
異なる色の花を咲かせ、異なる味の実をつける。
新たな偶然、訪れる必然、生まれる奇跡、逃れられぬ運命。
誰かが守りたかった場所、誰かが守りたかった命、
誰かが守りたかった記憶、誰かが守りたかった『何か』。
それらは全て、それを受け止めた人によって違うから。

あの日撒かれた『お守りの名を持つ種』は、複数の形を作り上げた。

届け、言霊。
時を越えて。
5年という歳月が描いた歌。
偶然、必然、奇跡、運命。
月明かりの中で絡み合う螺旋。
陽だまりの下で噛み合う歯車。
過去へ、現在へ、そして未来へ。
『今』の歌は、今しか歌えないから。

また、針は廻り・・・
新たな場所と、命と、記憶と・・・言葉を、作るから・・・

-Congratulation 5th Anniversary-
2004年1月20日→2009年1月20日→continue to...

* * *

5という数字は、やはり節目ってイメージが私の中で結構強いので
ちょっと形を変えて、色々ごちゃごちゃ書いてみました。
5年という歳月はやはり長いらしく、
私の中の『Talisman』の形も、初めてプレーした時と比較すると
大分変わったように感じます。
でも、その変化すらもきっと大切な軌跡なんだと思ってます。
そんな私の紡ぐ言葉が、Ryoさんに、そして一人でも多くの
人に響いたらな、と思います。

『Talisman』5周年おめでとうございます。
そしてこれからの発展を心よりお祈り申し上げます。

2009年1月20日
Written by Doukou-Maril





『Talisman』5周年記念の作品として道行マリル様から頂きました。
このSSの一人称は誰にも属さず、けれど誰にでも属する可能性も持ち
6人(とコーラル)のうちの誰かが、静かに詩を紡いでいるような作品で
その詩は『Talisman』という作品自体を指しているにも見えました。
素敵なSS作品をありがとうございました。

2009年1月22日 : 中原 良