* 「THIS WAY」 作 : 道行マリル 様


僕の歩いていくこの道。
貴方と歩いていくこの道。

目を開いたその場所は・・・異世界でした。
時を越え、時空を越えたこの場所は・・・
あの場所とは異なっていました。

「どう?この世界は。」

貴方の質問に、僕は答えられませんでした。
なんと答えたらいいのか、わからなくて・・・

「・・・気に入らなかった?」

・・・そういうわけじゃないんです。
ただ、言葉にできないだけなんです。
首を振った僕にあなたは「よかった」とつぶやいて。

「空気は?問題ない?」

・・・全然というわけでは無かったんです。
どことなく汚れていて。
でも、タリスマンを作成した時から、僕は人間に近くなっていました。
だから、そこまで深刻ではありませんでした。
それに。

「あなたが隣にいるから、問題ありませんよ。」
「///は、恥ずかしいなぁ」

嘘でもお世辞でもありませんよ?
本当に、貴方がいれば問題ないと思ってます。

並ぶ建物は明らかにつくりが違っていて。
道の色もあの世界とは違っていて。
その道を・・・あの世界では見たことの無いものが動いていて。
それらは止まったり動いたりを繰り返して。
人々に目をやれば、あの世界とは違った服装、外見。
ある人は見たことの無い直方体のものを耳にあて、話している人がいて。
またある人は左腕に何かはめていて、それを見ている。
そんな彼らの共通点。
あの世界、ましてやあの世界ではありえないです。

魔力を一切感じないんです。
魔力を・・・持っていないんです。

「この世界に、魔法は存在しない。変わりに、機械の技術が発展してるんだ」

そういってあれはクルマとかケータイとかトケイとか教えてくれました。
・・・すぐには覚えられませんでしたが。

「ゆっくり慣れていけばいいよ。」

そういって微笑んでくれました。

「魔法が存在しないから、悲しい歴史が存在しないんですね。」

そういう僕に、貴方は悲しそうに微笑みました。

「確かに・・・そうかもしれない。でも悲しい歴史が存在しないわけじゃないよ。機械の技術の発展により、その力を使ってあちこちを征服しようとする人だっているし、人種差別・・・向こうで言う種族差別かな・・・が存在するからね・・・動物だって次から次へと絶滅していく。人間の勝手な行動でね。おかしいよね。皆同じ命を受けたのに・・・」

ああ。
やっぱり、完璧な世界はどこにも存在しないんだなと、思ってしまいました。

「でも・・・ちゃんとわかってる人もいる。ただ生まれた場所や環境の違いで差別するのが、避けるのが間違ってると理解している人もいる。」

それが・・・貴方。

「・・・この世界はなれないから、不安かもしれない。けど・・・」
「大丈夫ですよ。」

大丈夫。
ここがどんな世界であったとしても。
どんな障害があったとしても。

「貴方が隣にいれば、僕はどんな状況でも乗り越えていける・・・そんな気が、します。不安が無いわけじゃないんです。でも、僕の心の励みになってくれた・・・僕を理解してくれた貴方となら・・・二人なら大丈夫ですよ。きっと・・・いえ、絶対に。」
「ルカ・・・」

貴方が僕のことをわかってくれるから。
貴方が僕のことを励ましてくれるから。
貴方が僕のそばにいてくれるから。
貴方が僕の名前を・・・呼んでくれるから。

「どんな歴史も、世界も生きていけます。」

言わせてください。
今の僕の気持ち。

「僕を一緒に導いてくれてありがとう・・・貴方が魔法を持った奇跡、貴方とあの街で出会えた奇跡・・・そのすべてに感謝します。」

僕の歩いていくこの道。
貴方と歩いていくこの道。
・・・誰よりも愛しい、守りたい人と歩くこの道。
何があっても、何が起こっても。

僕は貴方と離れることなくこの道をゆくことを誓います。

〜Fin〜


Written by Doukou-Maril
2004年3月29日



道行マリル様から頂きました、ルカとコーラルのその後です。
コーラルと一緒にコーラルの世界へと時を越えたルカ。
良い環境とは言えないかもしれないけれど、きっと幸せに暮らしているんだろうなぁ、と(^-^)
素敵なSS作品をありがとうございました。

2004年4月2日 : 中原 良